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しかし単なる私利私欲のためにメンバーを切ったのではない。時代はデジタルへと移行し、人力へのニーズは減り、ヒップホップの隆盛とともにバンド編成である必然性がなくなったからだ。
キャメオ・サウンドの要は、ラリー・ブラックモン。リードヴォーカル以外にもドラム、パーカッション、ベース、そしてプロデュースも担当している。他の二人はヴォーカル担当なので、この時点のキャメオはほぼヴォーカル・グループ(もしくはランDMCのようなユニット)と考えることもできる。
だが、ヴォーカル・グループ的な曲は、B1 “Don’t Be Lonely”ぐらいのもの。彼らの信条はあくまでファンク。ラリー・ブラックモンがリズムに強い点も時流に合った。一曲目の“Word Up”と続く“Candy”は、80年代キャメオを代表する大ヒット曲。B2 “She’s Mine”では、通常大編成でパフォーマンスするゴーゴーのミニマリスト版も披露。
とても80年代的でありながら、今聞いても前時代的な感じがしない不思議なマスターピース。
Producer: Larry Blackmon
1986年