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若きBBキングの素晴らしい点は、ブルースやゴスペルだけではなく、ジャズの要素等も取り込み、幅広い層をターゲットにしていることだろう。これはデビュー前のラジオDJの経験が生きているのかもしれない。
このデビューアルバムでも、B.B.キングの多様性を十分知ることができる。彼の名が世に知られるきっかけとなった1951年リリースのスローブルース“3 O’Clock Blues”を聞くと、すでに彼のヴォーカルとギター・スタイルが、この時点でほぼ完成していることに気づく。続くヒット曲“You Know I Love You”では、ヴォーカルに徹して王道R&Bを歌い上げている。1953年のヒット曲“Woke Up This Morning”は、おそらく当時としてはかなり最先端のロックンロールを取り上げ、同年R&Bチャート1位の“Please Love Me”では、それら全てを統合したB.B.キング流ブルースを提案している。
この『シンギング・ザ・ブルース』は、デビューアルバムながら、すでにスターであった紀元前のB.B.キングのベストアルバムであり、ブルース史のターニングポイントを知ることもできるかなりお買い得な作品。
Producer: Florette Bihari
1957年