まるでバンクシーの作品のよう。
今ウクライナには、人身売買業者の被害を受け、路上で物乞いをする子供が多数存在するという。この国連との共同プロジェクトは、アートの力を利用して、絶望の中にいる子供たちに社会の注目を集めようと企画された。
大規模な予算もなく、展示期間はわずか3日。「キエフ・ライト・フェスティバル」の開催期間中にこのインスタレーションは設置された。
広場に置かれたのは黒い大きなボックス。そこには小さな覗き穴があった。
興味を持った人が、ボックスの中を覗くと、暗闇の中に一人の物乞いの女の子の像が。作品の写真を撮ろうとスマホのフラッシュをたくと、作品は別の顔を見せる。
光に映し出されたのは、闇の中で少女を背後で操る大人たちの姿だった。
3日間の展示期間で5,647回のフラッシュを記録。一人一人が目撃した作品は、写真として残り、SNSを通して多くの人の目に触れることになった。
このインタレーションは、フェスティバル終了後、ウクライナ南部の都市オデッサに移され、永久展示されることになった。