1月末から大寒波に見舞われ、南極よりも寒い現在のシカゴ。外気に数分間、肌が晒されるだけで凍傷になる恐れもあり、イリノイ州では非常事態宣言が発令された。この大都会に住むホームレスにとっては、特に命に関わる問題である。
シカゴ市では、ホームレス用シェルターのベッド数を増加し、図書館などの公共施設の一部も解放しているが、飲酒の禁止・朝には退去しなければならない等の厳格なルールを嫌い、死のリスクがあっても、野営を選択する人も多い。ホームレスの中には、ボランティアがハイウェイの近くに用意した仮設テントに避難し、暖をとるものもいた。しかし1月30日、この仮設テントでプロパンガスの爆発事故が発生。消防署は二次災害を防止するために、プロパンガスのタンクを全て撤去する決断を下し、ここに滞在していた70名のホームレスは寒空の中、再び行き場を失ってしまった。
天候にも運にも見放された70名だったが、神は彼らを見放してはいなかった。地元紙“Chicago Tribune”によると、行き場を失ったホームレスの状況を知り、ある人物から寛大な申し出の連絡が市にあった。仮設テントに避難していた70名全員のために、週末までホテルの部屋を予約したというのだ。
「これで少なくとも安全で暖かな場所を確保することができました」と救世軍の担当者は安堵する。一人だけこの申し出を断り、救世軍の施設に入ったものがいたが、残りのものは無事ホテルに宿泊することができた。
100人に100万円をプレゼントした人物が日本にいたが、その一人分の金額でシカゴの70人の命を救うことができるのだ。ちなみにシカゴの一件では、リツイートする必要もなく、寄付した人物名も本人の希望により公表されていない。