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ソウル&ファンク大辞典

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Kraftwerk

ヒップホップに多大なる影響を与えたビート「発電所」

クラフトワーク Man Machine,
Kraftwerk, 1978
ブラックミュージックのファンクとは対極に位置し、血も汗も感じないドイツのテクノ集団Kraftwerk(クラフトワーク)。しかし彼らの音楽の中心を成すのは(少なくとも70年代後半以降からは)まぎれもなくファンクであり、それはクラフトワークがブラックミュージック界に注目されるきっかけとなったAfrika Bambaataa & Soulsonic Force(アフリカ・バンバータ&ソウルソニック・フォース)の“Planet Rock”と、サンプリングネタとなった“Trans-Europe Express(邦題:ヨーロッパ特急)”や“Numbers”を聞き比べてみればすぐに分かる。揺れの違いはあっても、本質的な部分ではほとんど違いがない。そもそもドイツ語の“kraftwerk”とは「発電所」を指す言葉だ。きっと静的に見える彼らの表面的なイメージは偽装だろう。発電所が産業の発展を促進したように、彼ら自身が音楽の「パワー・プラント」となり、新たなビートを生み出そうとしていたのかもしれない。

1980年代のヒップホップ界では、クラフトワーク・ネタが定番となり、1982年Fearless Four(フィアレス・フォー)の“Rockin’ It”や、1989年2 Live Crew(2ライヴ・クルー)の“Dick Almighty”では、クラフトワーク1978年の“The Man Machine”を使うなど、挙げればきりがないほど、数多くのブラック・アーティストが彼らの曲をサンプリングしたり、カバーするなどした。

クラフトワークも逆にヒップホップの影響を受けたのか、自身の曲にクレジット無しで他人のメロディーを借用している。1983年の『ツール・ド・フランス』の有名なメロディは、20世紀初頭に活躍したドイツ人作曲家パウル・ヒンデミットの『フルート・ソナタ 第一楽章』の冒頭部分とほぼ同じだ。

肉体を武器にしていたそれまでのブラックミュージックに、クラフトワークはコンピュータの意味を教えた。そして、ヒップホップが化学反応を起こしたのだ。彼らの音楽は現在でもダンスフロアに関係する多くのアーティストに影響を与えている。



Numbers - Kraftwerk
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