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それは、この全員がHoney Drippers(ハニー・ドリッパーズ)の“Impeach the President”をサンプリングしているということだ。彼らだけではなく、この曲は数え切れないほど多くのヒップホッパーに愛された。イントロのブレイクビーツは、ヒップホップで最もよく聞くフレーズのうちのひとつだ。
ハニー・ドリッパーズとは、“Shotgun Wedding”で有名なRoy C(ロイ・C)が発掘したニューヨークの高校生によるバンドで、彼が興したレーベルAlaga(アラガ)で使うバックバンドとして採用された。“Impeach the President”は、ハニー・ドリッパーズ名義のシングル盤として1973年にリリースされているが、作曲・プロデュースはともにロイCであり、B面のタイトルも、“Roy C.’s Theme Song(「ロイCのテーマソング」。この曲もカッコイイ)”であることからも、実質的にはロイCの作品といっても間違いない。
ドラムが印象的な「インピーチ」だが、当初ロイCは、このドラムこそがハニー・ドリッパーズの最大の弱点だと感じていた。そこで、何度も何度もドラマーの個人レッスンを繰り返し、苦心の末、ようやくこのフレーズにたどり着いたという。
数百人のアーティストに使われた“Impeach the President”だったが、ロイC本人は、ジャネット・ジャクソンの1993年の大ヒット曲“That’s the Way Love Goes”を聞くまで、自分の曲がこんなにサンプリングされていることを、全く知らなかったらしい。