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ソウル&ファンク大辞典

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Brand X / UNORTHODOX BEHAVIOUR

粘りながら疾走する異常なリズムが快感

ブランドX Unorthodox Behaviour,
Brand X, 1976
陽気な叔父さんのイメージが強いPhil Collins(フィル・コリンズ)が、非常に優秀なドラマーであることを再認識させてくれるブランドXのデビュー作“Unorthodox Behaiviour(邦題:異常行為)”。1曲目の“Nuclear Burn”からコリンズ叔父さんの超高速ドラムが炸裂しまくり。叔父さんとコンビを組むのがフレットレス・ベースの名手Percy Jones(パーシー・ジョーンズ)。ジャコ・パストリアスのような美しいプレイではなく、パーシー・ジョーンズの変態的に粘るベースとフィリ・コリンズのキレのいいドラムこそ、ブランドXの最大の魅力。

メロディは主にギターのJohn Goodsall(ジョン・グッドサル)とキーボードのRobin Lumley(ロビン・ラムリー)が担当するが、この二人は個性がそれぞれ違う。グッドサルは同時代の米国のフュージョン系ギタリストのようなプレイで、4人の中では一番まとも。ラムリーのプレイは、スペイシーなモーグ・シンセとシンプルなフェンダー・ローズを併用しており、非常にミステリアス。

四人の魅力がバランスよく出ているのは、A2 “Euthanasia Walz”。技巧的になりすぎず、美しいメロディーと疾走感が共存している。

一筋縄では説明不能なブランドXの音楽だが、それでこそ音楽家としての存在意義がある。英国的なプログレとジャズロックを進化させ、そこに強引にフュージョンをねじ込んだような音だが、実力者揃いで、クオリティの高さとオリジナリティは保証済みなので、音楽的にひねくれたものが好きな人にはオススメ作品。

Producer: Brand X, Dennis MacKay
1976年



Nuclear Burn - Brand X
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