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タイトル通りの内容で、ナッソーからの蒸し暑そうな風をびしびし感じるようなファンキーさ。荒々しいギターのカッティングに、うねるベース、そして何よりもカリブの土着的なリズムに絡むThe Funky Nassau Horns(ファンキー・ナッソウ・ホーンズ)のラッパ隊が、ファンクとしてのグレードを上げている。A1の“Funky Nassau Pt.1”を聞いただけで、もう汗ビッショリ。この曲はバハマでの練習中に生まれたフレーズをふくらませて、歌詞をリズムに合わせていったという。
“Funky Nassau”は元々、Alstonで制作されたわけではない。自主制作のシングル盤として5千部のみ制作され、しかもB面として発売されたのだ。ラジオでオンエアされるようになると徐々に話題となり、ついにAlstonのHenry Stone(ヘンリー・ストーン)の耳に入ることになる。オリジナルのA面はストーンにボツにされ、急遽“Funky Nassau Pt. II”をレコーディンすることになった。こうして、A面B面を逆にしてリリースされたのが、Alston版の「ファンキー・ナッソウ」であり、パート1とパート2の2曲が収録された由来だという。
名盤を制作し、評価もされたのにレアグルーブ扱いされたのには理由がある。プロモーションのためのツアーが決まっていたのに、メンバーの一部がバハマに帰ることを選択したからだ。大スターになる寸前に、自ら梯子を下ろしてしまったのだ。
それにしても、マイアミソウルの幅は恐ろしいほどに広い。(そして、その多くがヒットしているということが凄い)
Producer: The Beginning of the End
1971年