ABC / THE LEXICON OF LOVE
見た目はチャラくても仕事はきっちり
The Lexicon of Love,
ABC, 1982
80年代初期のニューウェーブやニューロマンティックの人気バンドのひとつで『ルック・オブ・ラヴ』の一発屋ぐらいのイメージしかないかもしれないが、ABCのデビューアルバムは意外に侮れない。プロデュースは80年代を代表するミュージシャン兼プロデューサーのトレバー・ホーン。もちろん元祖サンプリングのフェアライトもガンガン使用している。そしてバックのメンバーの多くは、このアルバムの直後、ZTTレーベルでArt of Noise(アート・オブ・ノイズ)を結成することになる面々。このチームは
Malcolm McLaren(マルコム・マクラーレン)の“Duck Rock”や、Yes(イエス)の“Lonly Heart”もヒットさせているが、ABCの成功が、トレバー・ホーンの方向性を決めたといえる。ただし、後と作品と若干異なる点は「生」の楽器を多く使っていること。生とデジタル、そしてABCのメンバーの手による曲の良さが相まり、80年代的名作が生まれた。
ディスコやブラックコンテンポラリーとして聞いても高レベルのダンスアルバム。
Producer: Trevor Horn
1982年