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ヴァン・モリソンとPaddy Moloney(パディ・モローニ)率いるチーフタンズが共演した名作『アイリッシュ・ハートビート』では、こうした歴史を一枚の中で体感できる。世界のあらゆる音楽を吸収しながら、ケルト音楽の発展・普及に尽くすチーフタンズと、白人ながら現代ソウルの歌い手としては世界最高峰のヴァン・モリソン。全員アイルランド島生まれの彼らが、島から大陸に渡り、そしてまた島に戻ってきた音楽の旅を疑似体験させてくれる。
ソウルを愛するヴァン・モリソンが、自らのルーツに立ち戻る姿は、60年代から70年代にかけて、多くのブラック・ミュージシャンがアフリカ回帰的な作品をリリースした姿にも似ている。
ソウルを単なるジャンルとして捉えるのではなく、彼にとってのソウルを真摯に追い求めた結果、誕生したのが『アイリッシュ・ハートビート』である。つまりヴァン・モリソンの中で最も純粋なソウル・アルバムでもあるのだ。
Producer: Paddy Moloney, Van Morrison
1988年