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ソウル&ファンク大辞典

ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。

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Van Morrison & The Chieftains / IRISH HEARTBEAT

真の「ソウル」とは何かを問う作品

ヴァン・モリソン Van Morrison &
the Chieftains,
Irish Heartbeat, 1988
ソウルやファンクのルーツといえば、アフリカを起源として、アフリカ系米国人が発展させた音楽というのが定説だが、アメリカで発展したのだから、当然、他の文化の影響もある。ヨーロッパからやってきた音楽の中で、大きな影響を与えた流れの一つとしてあげられるのが、アイルランドを中心とするケルト系の音楽だ。直接的にはカントリー音楽への影響が強いが、独特の哀愁あるメロディと複雑なリズムは、間接的にR&Bやジャズの発展にも貢献した。

ヴァン・モリソンとPaddy Moloney(パディ・モローニ)率いるチーフタンズが共演した名作『アイリッシュ・ハートビート』では、こうした歴史を一枚の中で体感できる。世界のあらゆる音楽を吸収しながら、ケルト音楽の発展・普及に尽くすチーフタンズと、白人ながら現代ソウルの歌い手としては世界最高峰のヴァン・モリソン。全員アイルランド島生まれの彼らが、島から大陸に渡り、そしてまた島に戻ってきた音楽の旅を疑似体験させてくれる。

ソウルを愛するヴァン・モリソンが、自らのルーツに立ち戻る姿は、60年代から70年代にかけて、多くのブラック・ミュージシャンがアフリカ回帰的な作品をリリースした姿にも似ている。

ソウルを単なるジャンルとして捉えるのではなく、彼にとってのソウルを真摯に追い求めた結果、誕生したのが『アイリッシュ・ハートビート』である。つまりヴァン・モリソンの中で最も純粋なソウル・アルバムでもあるのだ。

Producer: Paddy Moloney, Van Morrison
1988年



Raglan Road - Van Morrison & The Chieftains
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