ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。
サウンド・クリエイターとしては、レミ街やCRCK/LCKSのメンバーの力も借り、その視線は時代よりもかなり先を見ているようだ。ピアニストとしては確実にリアルな世界に生きている。ところがうねるようなヴォーカルに関しては、妙な大地感というか親近感が伝わってくる。
詩に関しては、赤裸々感が凄まじい。(当然真実はわからないが)中村佳穂のプライベートを疑似体験している気分になる。一般的なポップスのフィールドでは語れない、宇多田ヒカルのような別次元感もある。
全体的には、適度なアヴァンギャルド・テイストに様々な引用がヒップホップのように織り込まれているので、刺激と郷愁が並存し、聴くものを見捨てることはない。
とても先進的なアイデアが満載なのに、中村佳穂家のお茶の間でミカンをいただきながら、赤裸々な話をしみじみ聞く「家、ついて行ってイイですか?」芸術家編的、ジャンルを超えた不思議で魅了的な作品。