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ソウル&ファンク大辞典

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Henry Threadgill / EASILY SLIP INTO ANOTHER WORLD

楽しいアヴァンギャルド・ジャズ

ヘンリー・スレッギル Easily Slip Into
Another World,
Henry Threadgill, 1988
1975年にAir(エアー)のメンバーとして、なんと日本の“WHYNOT”からデビューして以来、数多くのアルバムをリリース。2016年には“In for Penny, In for a Pound”で音楽のピューリッツァー賞をとるほど評価が高いのに、イマイチ一般的な知名度に欠けるヘンリー・スレッギル。この“Easily Slip Into Another World”は、全く衰えの知らない作曲家兼サックス奏者が最も脂の乗っていた1980年代後期の作品。

タイトルを意訳すると『別世界へのどこでもドア』といった感じだろうか。アヴァンギャルドなジャズに生きるヘンリー・スレッギルが、音楽という「どこでもドア」を使って時間と距離を超えて旅をする。

ブルージーな“I Can’t Wait Till I Get Home”に始まり、“Black Hands Bejewelled”はカリプソ、“Spotted Dick Is Pudding”はニュー・オーリンズ・ジャズ、“Let Me Look Down Your Throat Or Say Ah”は架空の映画音楽、女性ヴォーカルが入った“My Rock”は1950年代風ジャズといった具合だ。

ジャズにおけるアヴァンギャルドとは、過去の遺産の延長上にあることを実感できる。想像力を刺激されながらも、とても楽しくもある作品。

Producer: Steve Backer, Ed Michel, Diedre Murray
1988年



I Can't Wait Till I Get Home - Henry Threadgill
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