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音楽的な中心人物は、Irmin Schmidt(イルミン・シュミット。キーボード、ヴァイオリン、スチールギター)とHolger Czukay(ホルガー・シューカイ。ベース)。二人とも現代音楽作曲家のKarlheinz Stockhausen(カールハインツ・シュトックハウゼン)の元で学んでおり、カンの音楽にもその影響を感じる。ホルガー・シューカイとドラムのJaki Liebezeit(ヤキ・リーベツァイト)は、ジャズのバックグラウンドもある。「エーゲ・バミヤージ」では、きっとこのジャズの要素が大きく生かされているのだろう。サウンドがきっちりと構成されているのではなく、アドリブが多用され、ジャズとも現代音楽ともつかない世界が展開されている。しかし、ジャズのようにコード展開していくことはなく、ひたすら単調なメロディーが続くあたりは、アフロやファンクの影響があるのは間違いない。異なる要素を衝突させ、綿密な計算の上で、偶然を誘発させているのだろう。
ジャンルを完全に超えた音楽であり、音の迷宮から抜けられない人、全員にオススメの名盤。
ちなみにヴォーカルは日本人のダモ・鈴木。セックス・ピストルズやパブリック・イメージ・リミテッドのジョン・ライドンがカンを聞いていないわけがないので、相当影響を受けているような気がする。
Producer: Can
1972年